東京海上ホールディングスの年収を見るときは、持株会社と東京海上日動火災保険を分けます。2026年3月期の平均年間給与は、持株会社が1,487万1,103円、東京海上日動が905万9,913円です。
一方、ここで比較するAI・データ2求人は、東京海上日動へ入社した後、持株会社のAI・データ推進部へ出向する条件です。想定年収はどちらも740万〜1,500万円。持株会社平均、事業会社平均、求人レンジは同じ数字ではありません。
2求人は、業務変革を動かすか、AIを作り導入するか
| 比較項目 | AI・データ活用企画・推進 | AI開発・技術推進 |
|---|---|---|
| 雇用・配属 | 東京海上日動の正社員として入社後、東京海上ホールディングスへ出向 | 東京海上日動の正社員として入社後、東京海上ホールディングスへ出向 |
| 仕事の中心 | AI施策の計画・優先順位・PMO、業務可視化とTo-Be設計、関係者の合意形成 | 生成AI・AIエージェントのアプリ企画・要件・設計・開発・検証・導入、技術テーマ探索 |
| 必須経験 | 事業会社でAI・データ活用プロジェクトを企画・推進した経験 | 生成AI等の開発工程、技術検証・PoC・選定・導入、生成AI経験、コーディング・クラウド・コンテナ |
| 望ましい経験(必須とは別) | 外部パートナー管理、デジタル知見、金融・保険経験、案件リード、異種チームのリード、AI・データ・システム知見 | 外部パートナー管理、金融・保険経験、案件リード、異種チームのリード、AI前提の業務設計 |
| 初期勤務地 | 東京都千代田区大手町2-6-4 常盤橋タワー | 東京都千代田区大手町2-6-4 常盤橋タワー |
| 職務変更範囲 | 営業・引受、損害サービス、商品、資産運用、IT、管理、海外等 | 営業・引受、損害サービス、商品、資産運用、IT、管理、海外等 |
| 勤務地変更範囲 | 転居転勤への同意範囲で国内外・一定地域・通勤可能圏に分岐。在宅勤務命令の可能性あり | 転居転勤への同意範囲で国内外・一定地域・通勤可能圏に分岐。在宅勤務命令の可能性あり |
| 試用期間 | 情報なし | 情報なし |
| 想定年収 | 740万〜1,500万円 | 740万〜1,500万円 |
企画・推進は、AIを使う業務の全体設計と、複数部門を動かす役割です。開発・技術推進は、AIアプリケーションを作り、技術テーマの実現性を検証し、導入まで進める役割です。
同じ部署・同じ年収帯でも、前者は業務変革とプログラム管理、後者は技術実装と選定判断が中心です。年収上限だけで選ばず、自分の実績がどちらの必須条件へ直接つながるかで応募先を決めます。
持株会社と損害保険事業会社は同じ法人ではない
グループは四つの事業区分を持ちます。
| 事業区分 | 主な範囲 | 転職時の注意 | | --- | --- | --- | | 国内損害保険 | 東京海上日動、日新火災、東京海上ダイレクト等 | 顧客契約・事故対応を担う事業会社と持株会社を分ける | | 国内生命保険 | 東京海上日動あんしん生命等 | 損害保険の業務・人事条件を転用しない | | 海外保険 | 海外子会社・拠点の保険事業 | 海外会議と海外赴任、国内からの統制を分けて確認する | | ソリューション・その他 | リスク・防災等を含む保険周辺事業 | 保険引受以外の事業と配属法人を確認する |
2026年3月31日時点の連結従業員は67,526人です。国内損害保険29,200人、国内生命保険2,728人、海外保険24,213人、ソリューション・その他11,385人に分かれます。
今回の2求人は、持株会社のAI・データ推進部でグループ横断の仕事をします。ただし採用入口と入社法人は東京海上日動です。「持株会社の仕事」と「持株会社が雇用主」は同義ではありません。
1,487万1,103円は、持株会社1,339人の平均
持株会社の平均年間給与14,871,103円は、2026年3月31日時点の従業員1,339人を対象とし、賞与と基準外賃金を含みます。平均年齢42.4歳、平均勤続14.8年です。
従業員の大部分は子会社からの出向者で、平均勤続年数は出向元子会社での勤続を通算します。この平均を次の数字として使うことはできません。
- 連結67,526人の平均
- 東京海上日動の全社員平均
- AI・データ推進部の平均
- 中途入社者の初年度平均
- 今回の2求人で提示される確約額
持株会社平均が求人上限に近くても、1,500万円が標準提示になるとは限りません。
905万9,913円は、東京海上日動16,064人の別平均
東京海上日動の平均年間給与9,059,913円は、同じ基準日時点の従業員16,064人を対象とし、賞与と基準外賃金を含みます。平均年齢42.6歳、平均勤続13.1年です。
今回の2求人は東京海上日動へ入社しますが、この平均も個別オファーではありません。全社の職種・年齢・等級を含む平均と、専門求人のレンジを直接比較して「中途なら何万円高い」とは判断できません。
比較すべきなのは、オファーの基本給、賞与前提、残業代、役職・等級、初年度算定期間です。平均値との差ではなく、自分が担う責任と提示条件の整合を見ます。
想定年収740万〜1,500万円は、残業の仮定を含む
2求人は月給40万〜80万円、想定年収740万〜1,500万円を掲載しています。下限例は基本給32万8,000円以上に、法内残業20時間と法外残業12時間を仮定した月7万2,180円以上の残業代等を含みます。
役職により企画業務型裁量労働制となる場合があり、その場合の1日あたりのみなし労働時間は8時間54分です。管理監督者として採用される場合は残業手当がありません。転居転勤に同意し、実際に転居転勤した場合の手当は年収帯とは別です。
選考では次を分けて確認します。
- 想定する役職・等級と、下限・上限のどこを目安にするか
- 基本給、賞与の標準月数、残業仮定、その他手当の内訳
- 通常勤務、裁量労働、管理監督者のどれで提示するか
- 初年度賞与の算定期間と、年収試算への反映
- 転居転勤手当の対象条件、終了条件、税・社会保険上の扱い
1,500万円を確約額、740万円をすべての応募者の最低保証とは読みません。入社条件で幅が決まります。
企画・推進は、AI・データ活用を計画し動かした経験を問う
必須条件は、事業会社でAI・データ活用プロジェクトを企画・推進した経験です。業界や専門分野は不問ですが、AIの調査だけでなく、施策立案、計画、優先順位、進捗・課題・品質・費用・リスクを管理する仕事です。
この必須条件とは別に、求人の「あれば望ましいスキル・経験」は次の6項目です。
- 外部パートナー(SIer・コンサル・SaaSベンダー等)を含めた案件マネジメント
- デジタル・テクノロジー領域の知見
- 金融機関・保険会社における経験(デジタル技術を絡めた経験であれば尚可)
- コンサルティングファーム、SIer等における案件リードの経験
- コンサルタント・エンジニア等、異なるケイパビリティのメンバで構成されるチームのリード経験
- AI・データ・システム領域に関する技術的な知見または実務経験
六つは加点材料であり、必須経験へ格上げしません。該当しない項目を無理に補うより、必須の企画・推進経験を具体化します。
職務経歴書では、一つの案件を次の順で示します。
- どの業務課題を、どの指標で可視化したか
- AIを使う業務と人が判断する業務をどう分けたか
- ビジネス、IT、ガバナンス、外部企業と何を合意したか
- 品質、費用、リスク、利用状況をどう管理したか
- 導入後まで担当した場合、処理時間、品質、利用率等がどう変わったか
AIモデルを作った経験だけでは、企画・推進の必須経験を十分に示せません。逆に、一般的なPM経験だけなら、AI・データ活用を企画・推進した実績へ結び付ける必要があります。
開発・技術推進は、生成AIを実運用まで通した経験を問う
必須欄には、生成AI・AIエージェントのアプリケーションまたはシステム開発を、要件定義から設計・開発・テスト・導入まで経験したことが置かれています。加えて、技術検証・PoC・技術選定・導入企画の立案・推進、生成AI・AIエージェントの経験、コーディング・クラウド・コンテナ環境構築等の技術スキルが必要です。
必須を満たしたうえで、次の5項目は「あれば望ましいスキル・経験」として別に示されています。
- 外部パートナー(SIer・コンサル・SaaSベンダー等)を含めた案件マネジメント
- 金融機関・保険会社における経験(デジタル技術を絡めた経験であれば尚可)
- コンサルティングファーム、SIer等における案件リードの経験
- コンサルタント・エンジニア等、異なるケイパビリティのメンバで構成されるチームのリード経験
- AI活用を前提とした業務設計の経験
こちらも必須ではありません。生成AIを使った業務設計だけがあっても、開発工程・技術検証・技術スキルの必須条件を代替しません。
応募資料では次を明確にします。
- 自分が実装した箇所と、外部企業へ委託した箇所
- モデル・サービス選定の比較軸と、採用しなかった案
- データ・権限・機密情報・誤回答への対策
- テスト、監視、評価、ロールバックの設計
- PoCから本番導入へ進めた判断と、利用部門への定着方法
「生成AIを利用した」だけでは足りません。開発工程と運用判断へ入った深さを準備します。
職務と勤務地は、初期配属より広く変わり得る
2求人の初期勤務地は、東京都千代田区大手町2丁目6番4号の東京海上日動本店です。必要に応じて在宅勤務を命じる可能性があります。在宅頻度は情報なしで、常時在宅を約束する記載ではありません。
勤務地の変更範囲は、転居転勤への同意で分かれます。転居転勤に同意する場合は国内外の各事業所、同意しない場合は本拠地から通勤可能な各事業所、一定地域へ同意範囲を限定した場合はそのエリア内です。
職務変更範囲には、国内・海外営業と引受、損害調査・保険金支払、商品開発、営業支援、資産運用、情報システム、一般管理、海外事業等が並びます。AI・データ職への固定採用とは読みません。
試用期間・契約期間は情報なしです。正社員という表示だけから、試用なし、期間の定めなしと補わず、処遇面談までに確認します。
AI施策の企画推進か実装かを選べないなら保留する
AI・データ活用企画・推進が近いのは、事業会社でAI・データ活用プロジェクトを企画し、多部門を巻き込んで推進した人です。AI開発・技術推進が近いのは、生成AIアプリを設計・実装し、技術選定、テスト、本番導入まで担った人です。
持株会社との直接雇用が必須なら、現行2求人は見送ります。どちらも東京海上日動の正社員として入社後、持株会社へ出向する求人であり、オファー待ちの未確定条件ではありません。
一方、AI・データ職への固定、勤務地、試用条件、年収内訳が応募の前提なら、次の未確定条件が書面で確定するまで保留します。
- AI・データ以外へ職務変更しないこと
- 大手町または在宅勤務に固定されること
- 裁量労働・管理監督者の適用がないこと
- 試用期間と試用中の条件差が応募前に確定すること
- 想定年収の内訳と初年度の確約額が書面で示されること
損害保険業界の仕事へ戻ると、引受・営業、損害サービス、商品・業務設計、IT・データ・統制のどこへ進むかを並べ直せます。東京海上の2求人では、持株会社平均ではなく、入社法人、出向先、必須経験、変更範囲、個別提示額で応募を決めてください。
